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動脈硬化外来

動脈硬化とは?

コレステロールなどがたまって狭くなった血管

コレステロールなどがたまって狭くなった血管

動脈硬化とは、文字通り「動脈が硬くなること」です。動脈が硬くなると、しなやかさが失われ、血液をうまく送り出せなくなり、心臓に大きな負担をかけてしまいます。
また、動脈の内側がもろくなり粥腫(じゅくしゅ)と呼ばれるコレステロールのこぶができると、血管が狭くなったり、つまったりすることがあります。血管が狭くなると、栄養がいきわたらなくなり、組織や臓器が正しく機能できなくなりますし、血管が詰まると組織や臓器が壊疽してしまう危険性もあります。
さらに硬くなった血管はもろいため、破れやすくもなります。

動脈硬化が引き起こす問題

  • 心臓に大きな負担がかかる
  • 臓器、組織が正しく機能しなくなる
  • 臓器、組織が壊死する
  • 血管が破れやすくなる

動脈硬化の進行がもたらす疾患例

心臓に大きな負担がかかる 高血圧、心肥大、心不全
臓器、組織が正しく機能しなくなる 狭心症、心筋梗塞、脳梗塞、下肢閉塞性動脈硬化症
臓器、組織が壊死する
血管が破れやすくなる くも膜下出血などの脳出血、大動脈解離

動脈硬化は「沈黙の殺人者」

動脈硬化は前述のようにさまざまな症状を引き起こしますが、一番恐ろしいことは「気づきにくい」ということです。動脈硬化によって引き起こされる症状のほとんどは自覚症状がありません。そのため、自覚症状が出たときにはすでに重症化している場合が多いのです。手遅れにならないように普段から血管の状態をチェックすることが大切です。

平成23年 厚生労働省人口動態統計

平成23年 厚生労働省人口動態統計

右記は日本人の死亡原因のグラフです。動脈硬化症によって引き起こされる脳血管疾患・心疾患の割合が全体の1/4を占めていることがわかります。これはがんに匹敵する数字です。

また、寝たきりになる原因の4割は動脈硬化症によって引き起こされています。
高齢化の進行に伴い、動脈硬化症は大きな問題の1つとなっています。

生活習慣のチェックをしましょう

生活習慣チェックリスト

  • 血圧が高め
  • たばこを吸う
  • 太り気味 (BMI=25以上または、腹囲が男性85cm以上女性90cm以上)
  • 最近寝不足である
  • ストレスを感じることが多い
  • アルコールを週に3日以上飲む
  • 運動不足と感じている
  • 普段座ってする仕事が多い
  • 魚より肉をよく食べる
  • 濃い味付けを好んで食べる
  • いつもおなかいっぱい食べる
  • 生活習慣チェックリストに当てはまる項目がない方は、現在の良い生活習慣を続けてください。
  • 生活習慣チェックリストに1つでも当てはまる方
    動脈硬化症がどの位進んでいるかご存知ですか?今すぐ、動脈硬化検査を受けましょう。

動脈硬化検査(CAVI検査)

動脈硬化検査

動脈硬化検査(CAVI検査)は、自覚症状に乏しい動脈硬化症を簡単に発見できる検査です。
検査は、5分程度仰向けに寝た状態で両腕、両足、首の血圧と脈波を測れば完了します。

この検査では、動脈の硬さ、血管の詰まり、血管年齢を測定します。

1. 動脈の硬さ

動脈はポンプのように全身に血液を循環させる役割をもっています。動脈の硬さはポンプの内側の圧力(血圧)が変化したときのふくらみ具合を見ることによって測ります。
そうした硬さを反映する指標が、「CAVI」です。値が高いほど動脈硬化が進行していることを表します。

2. 動脈の詰まり

足の動脈の詰まり具合を表すのが「ABI(エービーアイ)」です。
横になり足首の血圧を測ると、健康な人では腕の血圧と同じか少し高いくらいの値となりますが、動脈に詰まりがあると、足首の血圧は低くなります。足と腕の値を比べ、足の動脈の詰まりを診断します。値が0.9未満の場合、詰まりがある可能性が高く、値が低いほど重症となります。

3. 血管年齢

同じ性別、年齢の健康な方の平均的なCAVIの値と比べることで、「血管年齢」を知ることができます。
血管年齢の高い方はCAVIが9.0未満であっても動脈硬化の進行が早いと考えられます。

治療方法

まず、食事や運動などの生活習慣を変えることで、危険因子を除去することが、動脈硬化による病気の治療、予防に重要です。

運動

肥満は動脈硬化の進行を早めるので、食べすぎに気をつけるとともに、日ごろから体を動かすことが大切です。ウォーキングや軽いジョギングを毎日続けると中性脂肪が減り、善玉コレステロールが増え、動脈硬化に対する予防的、あるいは治療的な効果があります。運動は高血圧や糖尿病の予防にもなります。

食事療法

  • 動脈硬化の発症、進行を早める肉、卵、バターなどの動物性脂肪をとりすぎないように注意します。マーガリンやサラダ油などの植物性脂肪からできたものを利用し、蛋白質では魚肉や大豆を増やすようにします。

  • イワシ、サバ、サンマなどの青魚には、血液中のコレステロールや中性脂肪を低下させて、血液が固まりにくくする作用があります。また、食物繊維は小腸でコレステロールの吸収を妨げて、排泄する作用があります。ゴボウなどの野菜、海藻類、キノコ類、コンニャクなどに多く含まれていて、肥満防止にもなります。

  • 塩分のとりすぎは高血圧、糖分のとりすぎは糖尿病などの原因になるため、注意が必要です。アルコールはほどほどにして、たばこはやめるのがいちばんです。

薬物治療

動脈硬化の薬物治療としては、コレステロールを低下させる薬剤が最も重要です。最近は、HMG-CoA還元酵素阻害薬のような、確実にコレステロールを低下させる薬剤が広く使われています。また、血管が詰まるのを防ぐために、抗血小板薬も用いられます。高血圧や糖尿病、高尿酸血症に対する薬物治療も大切です。

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